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モーションキャプチャーを用いたプロモーション動画ができるまで

モーションキャプチャーを用いたプロモーション動画ができるまで

2024年2月、イオンモール旭川駅前の東側壁面に設置されている大型デジタルビジョンにて公開された、大雪山カムイミンタラジオパーク構想推進協議会 様のPR動画をご覧いただけた方も多いかと思いますが、どのように制作されたかご存知でしょうか。
こちらの動画は、弊社モーションキャプチャーシステムを用いて制作されているのです。

本ブログでは、モーションキャプチャー を用いたプロモーション動画の制作工程についてご紹介します。
動画制作の 解説動画 も公開しておりますので、そちらと併せてご覧ください。

1.  アバターと仮想空間を使ったプロモーション動画

動画制作にあたり、アバターのモーション(動作)とナレーションの収録を大雪山カムイミンタラジオパーク構想推進協議会様の職員さんにご協力いただきました。
YouTubeなどインターネットを介して動画公開する場合、顔出しでの出演を躊躇される方も多いと思いますが、アバターを用いることで個人が特定されるようなリスクを最小限に抑えることができるため、大きなメリットといえるでしょう。
始めに、打ち合わせを行った上で、動画構成を決めていきます。
動画構成決定後は、下図のように制作進行します。

3Dモデル制作(アバターの制作、仮想スタジオの制作)、収録(モーションの収録、音声の収録)、ゲームエンジンでのビジュアライズ(アバターの表情、ライティング、質感などの調整、カメラアングルの調整)、編集(音声の同期、テロップ挿入、エフェクト効果の挿入)

こうして工程を並べてみると完成まで長い道のりに感じてしまいますよね。
しかし、実際は同程度の動画を「フルアニメーション」で制作するケースと比較した場合、制作期間を大幅に短縮することができます。
また、モーションキャプチャー技術を使用するため、収録はスタジオで完結し費用面も削減できます。

2.  アバターと3Dモデルの制作

動画に登場するアバターは、ご協力いただいた大雪山カムイミンタラジオパーク構想推進協議会様の職員さんをイメージして制作しました。
アバター制作には専用のソフトウェアを使用し、そのソフトウェアで再現できない箇所を3Dモデリングソフトで作り込んでいきます。
アバター制作では、派手な髪型や衣装にすることが多いため、今回のようにシンプルなビジネススーツというのは、逆に難しかったです。
スーツの色を複数用意しお選びいただきましたが、派手になりすぎず画面映えする色を選ばなければならないという点でとても悩みました。



次にスタジオのモデルについてご説明します。
制作方法は様々ですが、弊社では3D CADで構造を制作し、質感や色合いなどのテクスチャー部分を3Dモデリングソフトで仕上げます。
今回は「シンプルでオシャレなスタジオ」を意識して制作しました。
実写で撮影する場合は、最初にアングルが決まっているため背景画像を配置するだけでも問題ありません。
ですが、仮想空間の場合はあらゆるアングルで撮影できるような作り方をすることが多いため、現実世界での「モノ作り」をデジタルの世界で行っている感覚なのです。



動画後半は実写の神居古潭を背景にアバターが動いています。
こちらは実写の背景に対して、トリックアートのような手法で制作しています。
収録時、演者自身が動画(背景画像)をバックに「アバターがどのような動きをしているか」をモニター越しに確認できるため、とてもスムーズに収録することができました。
仮想世界なので、アイディア次第で様々な方法を試みることができます。

3.  モーションと音声の収録

音声収録は、専用ブースにて行います。
長尺のセリフが多く、慣れない音声収録に何度かリテイクもありましたが、無事綺麗なナレーションを収録することができました。

次にモーションの収録を行います。
モーションキャプチャースーツといわれる、反射マーカーが装着されたスーツを着用しての収録になります。

自分の動きがデジタル化された画面をモニタリングしながら収録を行うため、客観的に動きを確認しながら収録を行うことができます。
今回は大まかな流れを決めた上で自由に動いていただき、同じ場面を数テイク収録した上で、一番自然なモーションを採用しました。
モーションキャプチャースーツは動きやすい反面、通気性はあまりよくないので、着用して少し動くだけでもかなりの汗をかきます。そのため、空調温度を低めに保つなどの暑さ対策も行いました。
これまで様々な方がこのスーツを着用して収録に臨まれましたが、そのほとんどはプロではなく一般の方です。
モーションキャプチャーの仕様上、身体にフィットしたサイズのスーツを選ぶ必要があるため、着るまでは「恥ずかしい」という思いがあった方も、実際に着てカメラの前に立つと不思議なくらい動けてしまうのがこのスーツの不思議なところです。

4.  ゲームエンジンでのビジュアライズと編集作業

この工程でアバターやスタジオの3Dモデルを、ゲームエンジン(家庭用ゲームなどを制作するソフトウェア)に配置します。
ゲームエンジン(仮想空間内)で、太陽光・ライトの向きや強さ・物体表面の質感・反射率・カメラの画角やレンズなど様々な設定を行い、ビジュアル的にまとめます。
とても多くの設定が必要になりますが、アバターと仮想空間を使用した動画制作の強みは「このタイミングでビジュアルを決めることができる」ということだと思います。
実写動画やアニメーションの場合は、絵コンテなどで綿密な計画のもとに撮影・製作しても、計画に変更があれば撮り直しや作り直しになってしまうこともあるでしょう。
対してこの技術を使用した動画は、モーションやアバター、スタジオセットが個別の3Dデータとして構成されているため、このタイミングでもアバターが着用している衣装の色やカメラアングルの変更、セットの追加などの作業を短時間で行うことができます。

アバターの表情の変化や視線の動きなどの細かい設定もこのタイミングで決めます。
こうした制作に関する自由度の高さも、弊社の動画制作における魅力の一つだと考えています。
この後、動画を書き出し、最後に台詞やナレーション、テロップ追加などの編集作業を経て動画完成となります。



いかがでしたでしょうか。
動画制作の解説動画では伝えきれなかった細かい部分を解説させていただきましたが、モーションキャプチャーと仮想空間を使った動画には、まだまだ伝えきれない魅力やメリットがたくさんあります。
PRやプロモーション、広報、エンターテイメントなど、あらゆる分野に対応いたします。


自社のモーションキャプチャースタジオを保有し、レンタルサービスを行っております。
詳しくは こちら をご確認ください。

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