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ジオパークとは?【日本のジオパークをご紹介】



皆さんは「ジオパーク」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、弊社では日頃、多くのジオパークとお仕事をさせていただいており、今回はそのジオパークについてご紹介いたします。







1. ジオパークとは
ジオパーク の「ジオ」は地球や大地、「パーク」は公園を意味し、合わせて「大地の公園」を指します。

ジオパークでは、何億年という長い時間をかけて形成されてきた山や海などの大地の物語、その大地で生きてきた動物や植物の物語、そしてそれらに立脚して営まれてきた人々の暮らしや文化の物語、これら3つの関わり合いを知ることができます。その土地ならではの地質遺産や生物相、歴史・文化などの地域の遺産、あるいは“地域のたからもの”を未来へ引き継ぐことを目的としており、全国各地で多くのジオパークが活動しています。

出典:日本ジオパークネットワーク「日本のジオパーク活動」パンフレット



ジオパークの認定
日本には、日本ジオパーク委員会が認定した「日本ジオパーク」が43地域あり(2021年2月現在)、そのうち9地域がユネスコ世界ジオパークにも認定されています。



ジオパークになるためには、まず、日本ジオパークネットワークの準会員となり、日本ジオパーク委員会による審査を通過すると「日本ジオパーク」に認定されます。その後、ユネスコへ申請し、審査を通過すると「ユネスコ世界ジオパーク」に認定されます。

日本ジオパークへの認定は、ユネスコ世界ジオパークの認定基準に準じていますが、その基準には次のようなものがあります。
(i) 単一の、統合された地理的領域
(ii) 地質遺産と、自然遺産・文化遺産との関連付け
(iii) 法的位置づけのある管理運営団体
(iv) 他のユネスコ認定サイトと重複する場合の付加価値
(v) 地域社会や先住民の巻き込み
(vi) ネットワークにおける経験・助言の共有と共同プロジェクト
(vii) 地質遺産の保護
(viii) 審査や再認定における基準適合の確認
ジオパークには、地域の活性化や次世代が豊かに暮らすための地域社会の構築という目的があります。しかし、この目的を達成するためには国、都道府県、市町村、地域団体、民間企業、ひとりひとりの地域住民など、多くの人・団体が互いに連携し合う必要があります。



「世界遺産」との違い
同じユネスコの事業としてよく知られているものに、世界遺産があります。世界遺産は、1972年に採択された世界遺産条約に基づいて、文化遺産と自然遺産の保護を目的にユネスコが登録するもので、その主眼は遺産を守り、未来に継承することにあります。

一方、ジオパークはユネスコが認定する“地域”です。地球科学的価値を有する「大地の遺産」を保護することだけでなく、それらを観光や教育に活用することで、多くの人々がその遺産の価値を学び、地域社会の発展に活かしていく活動も含めて認定されるものです。




2. ジオパークに行ってみよう
ジオパークの楽しみ方
ジオパークでは、地形や地質だけでなく、その土地で営まれてきた暮らしも対象とされています。例えば、なぜその農作物や海産物がその土地で獲れるのか、大地との関わりを通して知ることができれば、食の旨味も一層増すというものです。

これらの魅力を教えてくれるのがジオガイドです。個人でガイドを依頼するだけでなく、ガイド付きのジオツアーも行われており、誰でもそれぞれのペースでジオパークを楽しむことができます。



ジオパークでの禁止事項
ジオパークの中には、学術的な価値を有することから、文化財保護法や自然公園法によって保護対象となっているものや箇所もあります。将来にわたって、一人でも多くの方がその素晴らしさに触れることができるよう、自然が大きく損なわれるような行為(例えば、動植物や岩石の採取など)は慎まなくてはなりません。




3. SDGsとの関わり
SDGs(エスディージーズ)とは
ジオパークで重視されていることの1つに、SDGsがあります。SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)とは、2015年9月の国連総会において採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された、2030年までによりよい世界を目指す国際目標です。

世界共通の17のゴール(大目標)と169のターゲット(小目標)で構成されており、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓い、日本だけでなく、世界中の人々が目標の達成に向けて積極的に取り組んでいます。







SDGsとジオパークの関わり
ジオパークが取り組んでいる活動には、生態系の保護や地域の観光促進など、SDGsの169のターゲットに関連するものも少なくありません。国連機関の1つであるユネスコの事業であるジオパークでは、SDGs達成に向けた取り組みを牽引する役回りが期待されており、多くのジオパークが積極的に活動しています。




4. 終わりに
弊社ではこれまで、空を飛ぶ鳥の目線で見下ろす地図、鳥瞰図の制作技術を活かし、多くのジオパーク地域を対象に、地図ポスター「ジオアート」を制作してきました。ジオアートでは、その土地の地形を楽しめるだけでなく、“鳥瞰”のアングルや空・雲など、ひとつひとつの表現に込められたその土地の物語に触れることができます。

遠出を伴う外出が難しい今、おうちでジオアートを楽しみながら各地域を旅してみるのはいかがでしょうか?そして、この状況が落ち着いた時には、ぜひ、実際にジオパークを訪れていただき、本物のもつ魅力を思う存分楽しんでいただければと思います。

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