近年、多くの事業者によって多種多様な3Dコンテンツの提供が行われています。
旅行、美術鑑賞、不動産の内覧など、これまではその場に行かなくてはできなかった体験を、自宅にいながらオンラインで手軽に体験できるようになりました。
弊社でも、3Dコンテンツに必要不可欠な360度撮影サービスを提供しています。
今回は、弊社で使用しているカメラ「Matterport Pro2」と、他の機材による撮影結果の比較を行いました。
1. はじめに
弊社が提供しているMatterport(マーターポート)サービスは、360度撮影および3Dスキャニングを行い、撮影結果をクラウドサーバーを通じてWeb上に公開できるサービスです。Matterport社では世界中でこれまでに500万件を超える空間が撮影され、累計アクセス数は20億回を超えています。
撮影結果は、このように空間の中を自由に見て回ることのできるビューアとしてWebサイトに掲載できます。
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2. 検証
撮影機材の比較検証は、下記の条件で行いました。
撮影場所
弊社会議室(面積約18㎡、撮影ポイント4か所)
撮影手順
撮影機材
① iPad Pro(Matterport Captureアプリを使用)
② RICOH THETA V
③ Matterport Pro2
弊社会議室(面積約18㎡、撮影ポイント4か所)
撮影手順
- スマートフォンやタブレットに、iOS/Androidアプリ「Matterport Capture」をインストール
- 上記アプリに対応した撮影機材を用意し、アプリと連動させることで撮影
- 撮影結果をアップロードしてビューアの作成
撮影機材
① iPad Pro(Matterport Captureアプリを使用)
② RICOH THETA V
③ Matterport Pro2
① iPad Proで撮影
長所
- スマートフォンやタブレットにiOS/Androidアプリ「Matterport Capture」をインストールするだけで撮影が行えます。
スマホ付属カメラへの対応はiPhone/iPad版のみです。
Android版では、Matterport、THETAなどのサポートされているカメラを接続する必要があります。 - 撮影ポイント1か所につき6回(手動で60度ごとに1枚)撮影する必要がありますが、手軽に3D空間を作成できます。
- 屋内外や昼夜、時間や場所を選ばず撮影できます。
短所
- 360度撮影の専用カメラではないため、上下(天井や床)の撮影範囲が狭く、施設内を俯瞰表示した時に歪みが生じます。
② RICOH THETA Vで撮影
長所
- 魚眼レンズによる撮影のため、撮影ポイント1か所を1度で撮ることができます。
- 3D空間を俯瞰で表示したときの歪みも比較的少なく抑えられます。
- 屋内外や昼夜、時間や場所を選ばずに撮影ができます。
短所
- iOS/Androidアプリ「Matterport Capture」とのWi-Fi接続が必要なため、撮影時には対応デバイスが必要です。
③ Matterport Pro2で撮影
長所
- 赤外線センサーにより正確な(誤差1%)距離の測定が行えるため、現実に近い精度の3D表示が可能です。
- 撮影ポイントごとに機材が自動回転しながら撮影を行うため、手軽に精度の高い撮影が可能です。
短所
- iOS/Androidアプリ「Matterport Capture」とのWi-Fi接続が必要なため、撮影時には対応デバイスが必要です。
- 屋内向けに設計されているため屋外撮影には不向きです。
3. 測定
机の幅を測定して撮影精度を比較します。それぞれ測定結果は下記のとおりでした。- iPad Pro 131cm
- RICOH THETA V 130cm
- Matterport Pro2 124cm
実物のサイズは124cmですので、Matterport Pro2の計測が正確で、誤差もほとんど無いことが分かりました。
4. まとめ
弊社では2018年より、撮影対象に応じて多数の機材を使い分けて3Dコンテンツの制作を行い、提供しています。近ごろはお客様の「撮影画像も納品してほしい」「情報をサーバにアップしたくない」などのニーズにお応えし、ローカルやオフライン環境でも3Dコンテンツを閲覧できる独自のビューアを開発しています。また、研究中の技術としてMatterportで撮影した3D空間上に、企業ロゴなどを埋め込み、より訴求力のあるコンテンツの制作に取り組んでいます。
弊社のサービスではMatterport Pro2カメラを使用しております。360度撮影や3Dコンテンツに興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。