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Cesiumとは?基本的な使い方とメリットを詳しく紹介

第1版:2020/06/23
第2版:2021/04/22



(この記事は2021年4月22日に更新いたしました)

昨今、3D地図を目にする機会が増えてきていませんでしょうか。

当社でも近年、BIM/CIMi-Constructionデジタルツイン などのキーワードと共に、建物や構造物のモデルを3D地図上で表示・分析するご依頼が増加してきています。
これらは測量技術や通信技術、情報処理技術等の目覚ましい発展を背景に、短い時間で大量のデータが取得されるようになってきたからで、今後もこの動きは加速していくと思われます。

そうした時、ビジュアライズに用いるツールはいくつか選択肢がありますが、 今回はCesium という3D地図ツール(であり、JavaScriptライブラリであり、プラットフォームでもあります)について詳しくご紹介いたします。











1. Cesiumとは?
基本情報
CesiumはアメリカのCesium GS, Inc.が提供する3D地図プラットフォームです。
航空宇宙系のソフトウェア会社であるAnalytical Graphics, Inc.が2011年に開発し、オープンソースのプロジェクトとしてリリースしました。
その後Cesium GS, Inc.は2019年に独立した会社として分社化されました。

Cesium とは?
そもそもCesiumとは何かという問いに誤解を恐れずに答えるなら、Webブラウザ上で動かせる精巧なバーチャル地球儀です。
正しい位置関係と時間の概念をもっており、様々な3D地理空間情報データを可視化したり重ね合わせて分析したりするプラットフォームとして広く利用されております。

Cesiumの主な種類
もう少しCesiumについて詳しく紹介します。
まず、Cesiumは大きくCesium ionCesiumJSの2つに分けられます。(※)
Cesium ion
私たちが保有している非常に重たい3Dデータをアップロードすると、CesiumJS等の3D地図上で表示するために最適な3DTilesとしてホスティングしてくれます。(そのため、3DTilesは私たちの手元には来ません。)

CesiumJS
Webブラウザ上で一般利用者が操作する3D地図です。CesiumJS単体でも3Dデータを表示することができるほか、Cesium ionから配信された3DTilesを描画することもできます。
開発者目線でいうとオープンソースのJava Scriptライブラリで、様々な機能拡張やデータ追加が可能なツールとなっております。
その他、より高度な3D空間上の可視化や分析解析を行う際に利用する「Cesium ion SDK」や、オンプレミス環境で3Dデータを3DTiles化するための「3D Tiling Pipeline」などがあります。

※ 2021年3月に「Cesium for Unreal」というプラグインが公開になり話題になっております。
Cesium ionにアップした3D 地理空間情報データを3Dゲームエンジンとして有名なUnreal Engineへとホスティングができるようです。

Google Earth APIとの違い
Google Earth API と異なる点として、まず挙げられるのがオープンソースである点です。誰でも3Dデータを地図上に表示させることや、さまざまな機能を組み込むことができます。
また、立体地図(3D)と平面地図(2D)の切り替えが可能になっています。見たい情報に応じて、3Dと2Dのいずれか見やすい方を選択することができます。




2. Cesiumで何ができるのか
Cesiumの機能を活用することで、どのようなことが実現できるのかについて紹介いたします。

レーザー測量等で取得した点群データを使用する
建物や橋などの構造物、火口や砂州などの微地形といったより詳細なデータを取得する際、点群として整備されることが増えております。(点群とは、読んで字のごとく位置と色の情報をもった点の集合体です。)
そうした点群データを高速に表示できるのがCesiumです。
広範囲になると非常に容量が大きい点群データも、Cesium ionにアップロードし3DTiles化することで高速な表示が可能になります。

例えば、静岡県では 「Shizuoka Point Cloud DB」 として県内で取得した点群データをオープンデータとして公開しており、そのデータをCesium上で可視化することが可能です。
加えて将来的に同じ場所を撮影することがあれば、1度目と2度目のデータの差分を抽出して変化を可視化することができます。

3D都市モデルなどの3Dモデルデータを使用する
例えば、建物や樹木、人間などを詳細に3Dモデル化したデータもCesiumに表示されることが可能です。実在しない仮想のデータでも勿論表示できます。
2021年春に国土交通省が 「PLATEAU(プラトー)」 というプロジェクトで、全国56都市の3D都市モデルをCityGML等の形式でオープンデータとして公開しますが、そのデータもCesium上で表示することが可能です。
PLATEAU View(札幌市)
(出典:国土交通省ホームページ
PLATEAUからダウンロードしたデータをCesium上に表示した(東京タワー周辺)

分析・解析結果の3Dデータを使用する
実在する物体に限らず、目に見えない分析や解析結果を表示することも可能です。
洪水時浸水や土砂災害の被害解析結果、3D都市モデルを元にした日照量や風況のデータなども3Dデータとして整備していれば表現できます。
その他、センサー等で取得したリアルタイムのデータも実際の位置に可視化できます。

統計・センサスの地域メッシュデータを使用する
統計やセンサスの地域メッシュデータも、ただ2次元で色分けするのではなく、その量を高さに置き換えて3D表示することで視覚的に把握しやすい表現となります。人口の多寡を3Dのグラフで表示することで都市の構造が見える化されます。

データの時系列表示
Cesiumの特徴として、時系列のデータを扱うことができる点が挙げられます。
洪水浸水想定など災害のシミュレーションデータがあれば、その時間ごとの浸水の変遷をぱっと見で把握できるようになり、防災の事前学習や啓蒙に役立ちます。
また、過去の人口推移や将来人口推計のデータがあれば、都市構造の変遷が可視化されるので今後の都市再生の計画に活用することができます。

Cesiumを掲載したサイトの公開
CesiumJSはWebブラウザ上で動作するため、Webサイトに掲載して全世界に公開・共有することができます。
自社のサイトで提供している情報を3D 地図に掲載して公開することは、訪問者によりわかりやすく情報を活用してもらうことに繋がります。




3. Cesiumのメリット
これまでCesiumでできることを見てきましたが、その中でも特にCesiumの独自のメリットについて改めて紹介いたします。

時系列で表示が可能
先にも述べた通り、時系列のデータを扱うことができます。
自然災害のシミュレーション結果を可視化したり、人間や自動車などが動く様を表示したりすることができます。

端末を選ばず使用可能
CesiumはWebGL(Webブラウザで3Dグラフィックを表示させる標準仕様)を採用しているので、パソコンだけでなくスマホやタブレットなど表示端末を選びません。

継続的なアップロードへの期待
Cesiumはその使いやすさと可能性の大きさから世界中で多くの人々が活用しております。
また、CesiumJS等はオープンソースでありコミュニティによって非常に活発なバージョンアップがされております。
そのため、急に更新がなくなり使えなくなるような恐れはないとみて良いでしょう。




4. まとめ
Cesiumとは、誰でも手軽にブラウザ上で表示することができる3Dデータのプラットフォームです。
地図や3Dモデルなど様々な3Dデータをビジュアライズし、分析や解析を行うことができます。
特徴として、時系列の表示が可能なため、人や自動車など移動物体のシミュレーション、浸水想定シミュレーション結果の表示など、都市計画や防災などについて考案する際に非常に有用なツールであると言えます。 他にも、端末を選ばずに使用できる、アップデートが随時行われるなどのメリットが存在し、今後さまざまな場面で活用することができるシステムであるといえます。

当社では、Cesiumを活用した3Dデータの可視化およびシステム構築のお手伝いをしております。ご興味がある方は下記よりお気軽にお問い合わせください。


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