ブログ

鳥瞰図(ちょうかんず)の具体的な事例と効果的な利用方法







1. はじめに
美しくダイナミックな表現で私たちをワクワクさせてくれる鳥瞰図ですが、

「実際にどんなところで使われているの?」
「どういう分野で使うと効果的なの?」

というご質問をいただくことがあります。
そこで今回の記事では、実際の利用事例を多めにご紹介しながら、効果的な利用方法を探っていこうと思います。

※「鳥瞰図」という用語の説明や長所は こちらの記事 をご覧ください。




2. 具体的な事例と効果的な利用方法
利用されるシーンとして最も多いのは観光マップとしての利用です。特に起伏の多い山岳地帯や盆地、カルデラ地形などを抱えるエリアで多く用いられます。地域の観光スポットや見どころを鳥瞰図上に配置することで、平面の地図よりも位置関係がわかりやすく観光スポットも魅力的に映るため、観光客の周遊促進に繋がります。

加えて、きれいな鳥瞰図は眺めているだけでも楽しい気持ちにさせてくれます。そうしたポジティブな感情が描かれた地域への印象に結びつくことで、その地域のブランドイメージを高める効果が期待できます。すぐに訪問してもらう機会を得られなかったとしても、「良い場所だ」という印象を持ってもらうことができます。

また、観光を行う動機づけや情報提供としてだけでなく、観光後に思い出を共有してもらうツールとしても有効です。つい誰かに見せたくなる綺麗な鳥瞰図は、「ここからの景色が最高に綺麗だったよ」「ここでやった体験が楽しかった」という声の説得力を高め、口コミやSNSでの発信の際に強い波及効果を生み出す効果を期待できます。



  •    


  •    

観光×鳥瞰図の例【吾妻山鳥瞰図看板】



ほかにも、登山マップやトレイルマップ、サイクリングマップなど、地形の起伏をリアルに表現すべき地図にご利用いただく事例も多くあります。あわせて、こうしたマップ地図には設定ルートの起伏がわかる断面図(高低図)を一緒に作成して並べるのがスタンダードです。

登山やサイクリングに慣れた方は、従来の等高線で表現された地形図から起伏を読み取ることが得意な方も多いですが、ここ数年、新たに登山やサイクリングを始めようという方も増えてきていますので、距離や高低差の情報をわかりやすく伝えることの重要性は増してきております。わかりやすい情報は登山に対するネガティブな感情を取り払い、“まずはやってみる”ことのハードルを下げるでしょう。





登山×鳥瞰図の例【足利市ハイキングマップ】



また、防災マップでの利用も増えています。例えば、水害ハザードマップでは

・海沿い川沿いの低い土地がどこにあるか
・浸水想定区域図によるとどこまでが浸水する想定か
・避難するべき高台はどちらの方向にあるのか

といった情報を直感的に把握できることが求められますが、鳥瞰図表現はそれらの要求を一度に満たすことが可能です。

また、その地域のことを良く知らない観光客への情報提供としても有効で、観光情報と共に防災情報も記載した看板を設置するなどの活用が考えられます。観光と災害は表裏一体の関係(例えば多くの温泉は火山活動の恩恵!)ですので、パッと見で地域の全貌と災害の想定が把握できる鳥瞰図の利用はうってつけです。



  •    

防災×鳥瞰図の例【北斗市高台マップ】【豊頃町総合防災ハンドブック】



そして当社では、ジオパークでの利用も多くなっております。ジオパークとは、地形・地質的な特徴や見どころを、「教育」「地域振興」「保全」に活用していこうという取り組みで、世界遺産などと並んでユネスコの正式なプログラムとなっております。その中で鳥瞰図は、地域の地形・地質的な資源を魅力的に伝えるツールとして学術的価値の普及や観光振興に寄与したり、防災教育や郷土学習に役立てて頂いています。





ジオパーク×鳥瞰図の例【GEOART 隠岐ジオパーク】





3. まとめ
鳥瞰図が利用されているのは具体的に以下のようなシーンです。

・山岳や盆地、カルデラ地形など地形に特徴がある地域の観光マップ
・起伏の情報が必要な登山マップやトレッキングマップ、サイクリングマップ
・浸水や土砂崩れなどの災害想定や高台の避難場所を載せたハザードマップ
・大地の営みによる地形地質の資源を活用するジオパーク活動に関するマップ

その上で、鳥瞰図を用いることで期待できる効果の例は以下のとおりです。

・観光地を魅力的に見せ、観光への動機づけや周遊促進に繋がる
・見た人にワクワクする気持ちを湧き起こし、地域のイメージをポジティブにする
・地図が苦手な方にも地形の起伏や位置関係をわかりやすく伝え、ネガティブな感情を取り払う
・災害想定や避難所との位置関係を直感的に把握してもらう
・ジオパークなどの活動を通して、地域資源の価値普及や郷土学習に活用してもらう

ご覧のように、鳥瞰図は万能なわけではありませんが、使いどころを見極めて使っていただくことで、「平面の地図よりも高い効果」「平面の地図では得られない効果」を生み出すことができます。鳥瞰図を愛してやまない私たちとしましては、この記事を通して皆様に鳥瞰図の魅力と素晴らしさを実感していただけますとうれしいです。




4. 当社でお手伝いできること
私たちは独自に整備している全国の景観表現データや地形データを駆使し、早くから機械と職人の技を融合させた美しい鳥瞰図の制作を行ってきました。そのため、日本全国ご希望のエリアで鳥瞰図画像データを作成して提供することが可能です。海外でも対応できる場合がありますのでお問い合わせください。

また、ひとくちに鳥瞰図といってもその媒体は様々です。印刷物だけでなく、看板やパネル、映像などでもご利用いただけます。特に映像は観光PRなどの広報・プロモーション分野での利用が増えております。更には鳥瞰図表現を活用した3D地図システムの開発もしております。当社ではこうした種々の媒体に展開した成果品の作成まで一括で行うことも可能です。 お客様へのご提案やプロポーザルコンペに利用したいというご要望がありましたら、サンプルの提供も行っております。その他ご不明点やご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。


【Cesiumの活用事例】Cesiumをもっと身近で体感する方法

現実と仮想の双子「デジタルツイン」が製造業にもたらすメリット

お問い合わせ

製品・サービスに関するお問い合わせは以下までご連絡ください。

東京支店・東京フロントオフィス
〒102-0093東京都千代田区平河町2-6-1 平河町ビル
TEL 03-5216-4833(代) | FAX 03-5216-4830